先日、図書館に発達障害関連本が増えた!という記事を書きました。
真っ先に読むアスペルガー症候群の本―いじめられない、仲間はずれにされない子に育てる
まさに、その増えた本から一冊。
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アスペルガー症候群の、人との関係の持ち方のタイプ
- 人との関係を求めないタイプ→孤立群
- 自分からは関われないタイプ→受動群
- 積極的に関わりたいタイプ→積極奇異群
現在はまとめて「自閉スペクトラム症(ASD)」の診断名になる為、最初、娘がアスペルガーかどうかは分からず。
診断結果報告の次の診察時、主治医に確認したところ「アスペルガー症候群(AS)」に近いかも、ということだった。
アスペルガーに特化した本を読むのは初めてで、新しい言葉を知った。
それが、上記の「人との関係の持ち方のタイプ」。
娘の場合は、公園などで見知らぬ女の子と遊んだりするので「積極奇異群」が近いのかな。
でも、注目していると、仲良くなれそうな子か観察してから行動しているし、相手の反応がイマイチならそれ以上押さずに一緒に遊ぶことを諦める姿を見るので、本に書かれている「一方的である」とは違う気がする。
また、母子登校や別室登校の頃は、仲の良い友達が誘いに来ても、青ざめて拒否していたので、「孤立群」のような姿も見られる。
クラスの中でも真っ先に動く活発なタイプではなく、成り行きを一歩見守ってから動くタイプ。
これは、幼稚園の時から変わらない。
本の最初に、漫画でアスペルガー症候群のタイプの異なる4人の子どものエピソードが書かれているのだけど、この特徴的な4つのタイプにも当てはまらない。
強いて言うなら、「周囲の反感に気付かず、何でも仕切ってしまう子」に近いかもしれないが、娘はそこまで活発でないのでクラス全体の前で仕切ることはできず、「友達との小集団の中で仕切る」姿は見たことがある。
それも、「仕切る」のだけど、他の意見が出たらそれを取り入れたり、遊びの流れ的に自分の「仕切り」と違うことになっても自分も流されるので、仕切った内容にしがみついたり抗うことはない。
娘の場合は、タイプ分けが難しいのかもしれない。
ワーキングメモリーの課題
知能検査(WISC-Ⅳ)を受けた結果、娘はワーキングメモリー指標(WMI)が一番低く、一番高い知覚推理指標(PRI)との差が30以上あった。
簡単に言うと、「言葉だけで聴いた指示が、長いと正確に伝わらない」傾向にある。
学年相当の勉強もできる方だし、口が達者だから、親や担任の先生は今までまったく気が付かなかった。
実際、本人に、「先生が何を言っているのか分からない時があるか?」尋ねたところ、「たまにある」とのこと!
指示の後、「ん?で、何だっけ?」と何をしたらいいのか分からない時があるらしい。
「そんな時は、隣の子や先生にきく」と続けて話してくれたので、今のところ、本人の困り感は無いようだ。
上記のように、「1回のセリフに複数の文章を入れる」のは避けた方が良い。
娘を含め、ASDの子は聴覚的な情報処理能力が低い傾向にあるようだ。
指示や情報提示は、一文に一つ!
特に、上から三番目の「○○しちゃ、ダメよ」が、本人には「ダメ」という否定感しか与えていないことに注目。
本人の中では最初の文脈の意味がすっかり抜け落ちている。
(ワーキングメモリーの課題)
我が家も、小学校低学年の不登校時期に、これがひどかった。
本人の特性だとはつゆ知らず、とても傷つけてしまったと思う。
親は前提や仮定の話しをしているだけで、もちろん怒っていないし否定してもいないのに、本人はセリフの中のネガティブワードに「怒られ感」や「否定感」を感じ、自分はダメだと思ってしまう。
傷つきやすいのもASの子の特徴らしい。
(引用文献必要、すみません、今すぐに出ません。見つかったら修正します)
相手の言葉を真に受けやすい
上で書いた、「傷付きやすい」と関連がある。
アスペルガー症候群の子どもは、人から言われたことにはとても敏感です。
自分も同じことを言っているのに、それには気づかないことが多いのです。
かたわらから見ればお互いさまなのに、相手の気持ちに立って考えることができず、相手を責め、被害者的に受け止めやすいのです。(p.54)
周囲の大人が心がけること(p.54)
- 子どもがそのまま受けとってもいいような言い方をする
- あくまでも冷静に話す
(声を荒げると、叱られているという気持ちばかりが大きくなって、言われていることをうまく理解できなくなる) - 皮肉や冗談を言わない
- お説教は長くしない。文章も短く簡潔に。
周囲の大人が本当に気をつけなければならない点。
「自分の『普通』は、ASDの子の『普通』ではない」
だから、正しく伝わるように工夫しなければ。
このアイディア良いな~
他には、参考にしたいいアイディアがたくさん載っていた。
褒め誉めリスト
すぐ使える「ほめる声がけ」がたくさん!!
すごい!かっこいい☆やったね♪は、うさんくさく聴こえ始める小学校中学年…。
ボキャブラリー増やしたいと思っていたんですよ!
「~が、がんばっているのがよくわかるよ。」
「いい考えだね。」
「この問題、しっかり解けたね。」
これ、いいわあ~。
ほめ過ぎず、本人にも気持ちよく伝わる。
さっそく使わせてもらいます。
ハイタッチやサムアップについては、以前こちらの本を読んで実践しています。↓
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発達障害の子が20歳になった時の生活の質の確保、LSTを学ぶ
ASDの診断が下りて、すぐに図書館へ行く機会があり、一番最初に手に取った本。 発達障害児への ライフ ...
コミック会話
この、「書きながら分析」と「コミック会話」が、すごく良いなと思った。
確かに、娘と学校でのトラブルについて、向かい合って話しだけで確認したら、話し終わった後に追加情報が出てきたり、親が推測したことについてすぐに同調したり、「??」と思うことが度々あったので…。
書いて伝えることが大事だと実感。
ソーシャルストーリー
娘は、発達障害の検査を行った病院で、SST(ソーシャルスキルトレーニング)を始めることになった。
(詳細記事)
でも、病院に任せっきりではなく、自分に知識を入れておきたい。
そういった点で、すごく役に立った。
- いろいろなケースがあると教える
- 「いつもこうではなく、例外もある」
- 「相手によって反応も違う場合もある」
- 「~なことが多い」「~と思う人が多い」として、断定しないようにする
- 伝えたいことをしぼってシンプルに書く
まとめ
- 子どもがそのまま受けとってもいいような言い方で話す
- 声を荒げず、短く簡潔に
- ASの子は、話し言葉より書いた言葉の方が理解しやすい
- ソーシャルストーリーでは、「~なことが多い」「~と思う人が多い」と断定しない
79ページの薄い本ですが、参考になる部分も多かったです。