娘の病院では、知能検査(ウィスク フォー)以外に、7つの検査、本人の面談1回、親の聞き取り2回、事前に記入したチェックリスト2種(※「SDQ」と「CBCL/4-18」親記入と学校記入の各2枚、計4枚を提出)から、総合的に診断をしてもらえた。
病院へのファーストコンタクトの電話から半年後、初診から3ヶ月後のことである。
※チェックリストの名称:
- 「SDQ」→「子どもの強さと困難さアンケート」
- 「CBCL/4-18」→「子どもの行動チェックリスト」
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結果
結果から先に書くと、
娘には「自閉スペクトラム症」の診断が下りた。
私たち夫婦は、「不登校はただの怠けです」と言われて終わりか、グレーゾーン(特性はあるが診断下りず)だと思っていたので、ある意味驚いた。
でも主人は、先生の解説を聞き、
「今まで、モヤっとしていたことが、先生の言っていることと完全に合致してすっきりした」
「あの時もこの時も、どういう理由で娘がその行動をとったのか」
と、謎に思っていたことが解決して、やけにスッキリしていた。
私は、
「障害」と言われても、娘自体は今までと何も変わらないので、実感が湧かないというか、不思議な気分だった。
でも、娘の状態を第三者に客観的に伝えることができるので、学校の支援や周りの理解を受けやすくなるかなと、晴れやかな気分になった。
そして、
娘が独立した時に自分の特性で困ることが少しでも減るように、これからの育て方を考えて、必要な部分を支援して、親である私も勉強や成長をしなければ…と生まれ変わった気分だった。
それから、凹に注目ばかりしないで、凸をもっと伸ばしてあげたいと思った。
WISC-Ⅳ
合成得点 (括弧内はパーセンタイル) |
補足(私見) | |
全検査IQ(FSIQ) | 120台後半 (96) |
90-110が平均 |
言語理解指標(VCI) | 120台後半 (96) |
言葉やコミュニケーション、想像 |
知覚推理指標(PRI) | 130台前半 (98) |
視覚的な情報の記憶再現や推理 |
ワーキングメモリー指標(WMI) | 100台前半 (50) |
聴覚的な情報の短期記憶、処理 |
処理速度指標(PSI) | 110台前半 (84) |
単純作業の集中 |
(※個人情報の為、数値の1の位は伏せました。)
全検査IQは120台後半(信頼区間の高い値は130超)で、記述分類は「高い-非常に高い」。
帰宅後、主人は「MENSA入会まであと少し」などと冗談を言っていた。
娘は、親より記憶力が優れていたり、親戚や先生から「年齢の割に論理的に話す」「大人びている」と言われる。
また、不登校の時期が長かったので通信教材(※)で家庭学習を続けていて、公立小学校の4教科の内容は問題なく解ける。
(娘が利用しているタブレット教材⇒<進研ゼミ小学講座>お子さま一人でも楽しく取り組める教材設計で、自ら学ぶ力が身につく!)
それより、注目すべきは、視覚的な情報処理力と、聴覚的な情報処理力(WMI)の差が大きすぎること。
値にして30以上の差がある。
簡単に言うと、目で見たものを覚えたり視覚的な指示をこなすことは得意なのに、耳で聞いただけの指示は覚えられなかったり正確に理解できないことがある。
とは言え、WMIの値は100台前半なので、耳からの理解は「平均」的だそう。
この能力の大きな差が、発達障害の特性とも言えて、本人が「生きづらさ」を感じてしまう部分らしい。
先生の解説によると、高い値が出た言語理解指標(VCI:120台後半)の問題の中でも、
「自分の知らないことの想像は苦手で、考えようとしなかった。自分の経験に基づいている回答が目立った」とのこと。
娘の書いた作文は、そんな感じだ。
すごくよく分かる。
自分の経験、すなわち「日記」で終わっている。
クラスメイトの作文は日記の次元を越え、「ああしたい」「こうしたい」という未来を見据えた「まとめ」が入っている。
みんなの雛形的な作文のテクニックは学校で先生が教えているのだろうけど、娘は、雛型にはめ込むことすらできない。
(授業に参加できていないので、単に習っていないだけかもしれないが…)
とにかく、作文でいうところの【現実世界での想像】が苦手なんだろう。
でも、絵本を描いたり、物語を作るのは、とても得意で、本人も「絵本作家になりたい」と言うほど。
【架空の世界での想像力】は、すごくある。
「文章を書くこと」自体、嫌いではない。
【現実世界での想像】が苦手なので、例えば、学校で教室へ入ることを尻込みしている娘に、先生や友だちから「●●をやったら楽しいよ」「大丈夫だよ、できるよ」といくら言われても、経験のないことへの想像がいまいち出来ず、不安や恐怖が勝ってしまい、あと一歩が踏み出せない理由のひとつなのかも。
私たち定型発達の人々…すなわち「大勢派」には考えもつかない。
「なぜ教室に入るだけのことができないのだろう?」
「自分の席に座るだけでいいのに」
大勢派の「普通」が、娘のような少数派には「普通じゃない」ことなんだなぁ。
発達障害の人は、認知の仕方が独特な「少数派」。
病気ではなくて、特性。
血液型の区別のように「タイプ」が違うというだけ。
発達障害ではない人が「多数派」である。
自閉スペクトラム症(ASD)の特性は、少なからず誰でも持っているようなもの。
その特性が強く出すぎて日常生活に支障をきたしてしまうと「自閉スペクトラム症」と診断される。
(→ASD関連本を読み、何となく理解してきた私の個人的な見解です)
他の特性に基づく原因もあるのかもしれないけれど(聴覚過敏やトラウマ・緊張など?)とにかく、娘にとっての「授業中の教室へ入ることへの『凄まじく高い見えない壁』があること」が、診断が下りたことによって、何となく納得できたのだった。
続きます↓
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小学生・発達障害の検査結果2(その他の検査)
続きです。 その他の検査について書きます。 検査名まで詳しく分からないので、個人的なメモ。 目次 心 ...