続きです。
その他の検査について書きます。
検査名まで詳しく分からないので、個人的なメモ。
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心の理論
相手の気持ちや相手の言葉に含まれる意味を想像できるかのチェック。
例えば、以下のようなイラストを見て、おかしいと思う点を指摘する。
電話の相手:「お母さんはいますか?」
お母さんは、リビングにいる。
男の子:「うん、いるよ。」
と返事をしただけ。
電話の相手は、電話口の向こうで怪訝な顔をしている。
電話をかけた人の言葉(お母さんはいますか?)には、「お母さんに代わって」という意味が含まれている。
自閉スペクトラム症の人は、含んだ言葉を察したり、相手を気持ちを想像することが苦手な傾向にあるので、電話の相手が怪訝な顔をしている理由が分からない。
他には、お母さんから「お風呂見てきてね」(含まれた意味:お湯の量が適切なら蛇口を止めてきてね)と言われ、浴槽からお湯が溢れているのに、それを見ただけで蛇口を閉めずに「見てきたよ」とお母さんに言いに行くイラスト。
娘は、複数のイラストの指摘が出来て、ミスはなかった。
アイテスト
大人の両目の部分だけの写真を見て、その人物がどんな感情なのかを推測する。
娘は、7割近くのミス。
ミスの中でも、正解とは真逆な感情を選んだ割合が50%。
この結果には、驚いた。
娘は、人の表情からその人の感情を読み取ることが苦手。
いや、すごく分かりやすい表情以外は読み取れない、と断言してもいいのかも。
友だちが微妙に嫌がったり困惑しているのに、その表情に気が付かず、自分の意見を押し付けたりしていないだろうか…。
ああ、すごく心配になってきた。
比喩と皮肉
短い文章を読み、出てきた言葉やセリフの「比喩」「皮肉」の意味を理解しているかの検査。
比喩は、5問中、4問正解。
皮肉は、5問中、2問正解。
正直、小学3年生なりたての子どもに、問題文に採用されていた「右に出る者はいない」「犯人を泳がせておく」などの表現は難しいと思うし、嫌味たっぷりのセリフを自分に言われる機会は少ないので、この問題に正解するのは難しいのではないかと思った。
でも、先生曰く、WISC-Ⅳの言語理解指標(VCI)の高さから、娘には「皮肉」を理解できる力はある、と。
しかし正解率が低いのが気になる、とのこと。
この検査でも、言葉の裏の意味を汲み取るのが苦手というのが分かった。
感情を読む・共感
とある場面の人物の写真を見て、その人の気持ち・セリフを想像する。
人物は、少し分かりにくい表情をしている。
でも、その人物が置かれた状況を冷静に見ると、人物の感情を想像することは容易い。
娘は、痛いことになっている人の写真で笑ってしまったり(普通の人は、つられて痛そうな顔をするのだそう)、見当はずれな行動が見られたときもあったけれど、大抵の問いには正解したそうだ。
描画
指示通りに点・線・図形が描けるか。
制限時間内に、いくつかの設問のとおりに描画する。
図形は何個も並んでいたり、重なっている。
指示の理解力と、正確に復元する処理能力と集中力などを観察するようだ。
娘は問題なく解けたけれど、「何個書くか、どの角度で書くか」など指示に無いことを気にして臨床心理士に尋ねる場面があったとのこと。
真面目で少し神経質だと言われた。
P-Fスタディ
特定の状況で何かを言われた時に、どう言い返すか。
自分の思うセリフを書き込み、欲求不満や攻撃性を見るテストらしい。
今回は、場面や状況の把握ができているかという側面からもチェックしているらしい。
イラストは、一コマ漫画になっていて、人物は二人いる。
人物の顔の中には何も描かれていないので、表情が分からない。
先生は「こんなの」程度にざっと見せてくれただけなのでじっくり見られなかった。
(20種類くらいあった気がする)
一つ、目に入ったのが、(うろ覚えです)
花壇の前で腰に手を当てて立つ女性:「大事に育てた花なのに、どうしてくれるのよ?」
花壇の中に入って手折った花を持ち、女性と向かい合う女児:「 」
娘は、「きれいだったからお母さんに見せたかったの」と、書いていた。
↓
娘:皮肉が分からないので…
「どうするのよ?」に意味を変えちゃった?
↓
手折った花をどうする?って訊かれたから…
「お母さんに見せたかった」と答えた??
娘目線では、こんな感じに変換されてしまったのかな…?
日常生活でもせっかち・はやとちりなことが多いので、たぶん、そう。
現実にこのような場面があって、こう答えてしまったら、相手の人は呆れるか激怒するよなぁ…。
お母さんはどうでもいいから、まずは、謝れよ!って。
このテスト、他にも気になる点がある。
娘は、物語を作ったり空想の世界に耽るのが得意。
このテストのような漫画チックなイラストのセリフを答えるのは、娘にとって、「その世界(ファンタジー)のお話の中でのセリフ」として考えて答えていそう。(しかも一瞬で)
そうなると、娘自身の心理的状態に基づいて答えたセリフではないよね…。
先生からの所見では、
「場面の把握に問題はないけれど、目上の人に対して謝るより食ってかかるような傾向にある」ですと。
…確かに、そういう性格かも。
彼女の中には「自分理論」みたいなのがあって、それに反する時は、親や親戚の命にも従わないし、反発する。
自我があって良い面だとも思うが、まだ10歳にも満たないのに、もう少し丸い方が可愛がられて得するんじゃないかな、とも思う。
それは、本人が気づいてどう選択していくかの問題だから、本人には何も言わないが…。
聞き取り
親への聞き取りが2回あったが、そのうちの1回は、検査だったとのこと。
成育歴の内容から、ASDの特性に当てはまる項目が何項目あるか、点数で数値化し、傾向を見る。
結果の数値が基準値を超えたからといって障害の有無が決定的するのではなく、そのこだわり具合や深刻度、他の項目や検査と合わせて全体的に見るらしい。
で、娘の場合、点数はボーダーラインのギリギリ下だけども、特徴的な特性が出ているのでASDの傾向にあるとのこと。
次回に続く。
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小学生・発達障害の検査結果3(主治医の話)
前回の続きです。 検査結果の説明の後、「自閉スペクトラム症」の診断名が下された。 先生は、自閉スペク ...