病院での診断結果が下り、次の診察は2ヶ月後(親のみ)に決まった。
しかし、次回の診察を待たずに、急遽SSTを始めることになった。
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SSTを受けることになった経緯
というのも学校で、
娘の「女子心が分からない・あっさりしすぎ」な点が明確になったから。
そして、娘の行動の真意が伝わらず、相手の女の子へ誤解を与えてしまっている。
また、診断結果で「自分の経験がないと相手の気持ちを想像しにくい」「相手の表情から感情を読み取るのが上手くない」ことが分かっているので、相手の女の子の気持ちを汲み取れず、問題を大きくしているのかもしれない。
内容はこうだ。
3人組でいる時に、一人の子と話して、もう一人が黙り込んでいるので娘は「一緒に話さないの?」と尋ねたが、「いい」と断られたので、また話を続けた。
そのようなことが何度かあり、黙り込んだ子の母親が「意地悪された」とクレームを入れてきた。
娘は、
「話しに入らないのか声をかけたし、自分なら声をかけられる前に『私も話に入れて!』と言うから、問題ない」と、言っている。
例え話で、
「近所に友だちが二人いるとして、その二人が自分に何も言わずに朝学校へ行ってしまったら、どう思う?」と尋ねたところ、
「え?別に何とも思わない。学校で『明日から一緒に行こう』って言う」
他の例え話で、
「友達二人が話をしているところを見つけて声をかけました。でも二人がわざと無視して行ってしまったら、どう思う?」
「ちょっと悲しいけど、他の友だちを探して遊ぶから大丈夫」
といった具合で。
どうも、人間関係にはハートが強いというか、【一人になって寂しい】気持ちが人より薄いようだ。
ある意味、女子っぽくないというかサバサバして娘の長所なのかもしれないが、それは自分自身の感情のこと。
同じ環境では寂しい・悲しいと感じる人がいることを理解できないのでは、無意識に他人を傷つけてしまう恐れがある。
それから、今回起こってしまったことに対して、「〇〇ちゃんはどう感じたから、こうなったのかな…」という疑問が自発的に湧いてこない点も、私は違和感を感じた。
それは年齢的なものでこれからの成長と共に自然に身に付くことなのか、それとも知識として身に付ける必要があるのか…?
病院へ経緯を伝え、診察を1ヶ月早めてほしい旨を相談すると、融通を利かせてもらえた。
ドクターへ相談
今回のトラブルの内容と、
「早く【告知】をして自分の性質について知り(自分は少数派)、自分の気持ちと他人の気持ちは違う・他人の気持ちを想像する・他人は大勢派であることを教えた方が良いのか?」
「告知するならドクターにも同席してほしいが、どのように進めたらいいのか?」
を相談したところ、
- 相手の親の行動は普通ではないが、お子さんが寂しい思いをしたことは事実だろう
- 本人は意地悪をしていないのに、意地悪をされたと誤解を受けるのは本人にとって不利益
- 「私はこうだから」とはっきりしているのは良いことだが、他人がどう感じるのか想像できないのはまずい
- 娘の場合、能力が高く教えれば身に付くタイプなので、教えていくべき
- 現時点で告知云々よりも、今回のことを受けてまずはトレーニングから始めてみてはどうですか
- その上で、本人が「なぜこんなことをしなければいけないのか?」「自分は何か他人と違うのか?」と疑問を持ったり、人間関係で悩み事ができて告知することで快方に向かいそうな時など、必要なタイミングで【告知】というのが、一番良い流れでは?
私たち親は「告知→トレーニング」だと思っていたところ、主治医は「トレーニング→(必要になれば)告知」「必要時以外は告知無し」を提示してくれた。
しかも、院内でSST(ソーシャルスキルトレーニング)を受けられますよ、と!
これには、助かった。
診断結果が下りた直後、「訓練を」と言われたので「放課後等デイサービス」でSSTを行ってくれる事業所を探したこともあった。
でも、娘にとって初めての環境で始めるより、慣れた院内で面識のある臨床心理士が行ってくれるSSTの方が安心だし、これまでの経緯を共有している機関なので検査結果などのデータの持ち出しの必要もなく、楽だ。
事前打合わせ
SST初回の前に、臨床心理士と親で、打合わせの回があった。
おおまかな今回の経緯は主治医から伝わっていたので、足りない部分や細かな点を説明。
「女子的な気持ちの理解」が最終的な目標だと伝えた。
- 女子的な気持ちというのはなかなかレベルが高いので、最初は簡単な感情の理解から始めます
- 50分の中に、遊びの時間を入れたり、リラックスした状況で取り組めることを最優先します
- 終わりの10分は保護者にフィードバックする時間
- マンツーマン、予約料3,000円前後
頻度の希望を訊かれたので、逆に一般的な頻度を尋ねたら、小学生中高学年以上だと学校行事や習い事との兼ね合いもあるので月1くらいが多いとのこと。
それから午後は大人の患者さんも多く、複数の予約が取りにくいということで、うちも月1でお願いした。
(娘が学校の欠席や早退を嫌がるので、授業が終わった後に病院へ行く為)
初回SSTの内容
- 導入の遊び(ボードゲーム)
- 感情とイラストの表情を結ぶ問題
- お題の感情をイラストに書く問題
- お話(学校内のできごと)を読んで、設問(どんな気持ちだったかな?なぜかな?等)に答える問題
- 遊び時間
たった40分でこんなに盛りだくさんに色々取り組んでくださったのかー!とビックリした。
最後のフィードバックの時間に、取り組みの内容とねらい、娘の様子など教えてもらえて、とても良かった。
連れて行くときに、娘は「学校行けてるんだし、もう病院には行かなくていいんじゃない?」と尋ねてきた。
【SSTを行う理由】について、娘には何も話していない。
どう話したらいいのか悩んで、事前打合わせで臨床心理士へ相談した。
そこで決めたとおり、「まだ教室に入られない時もあるし、たまには病院行ってみよう~」と、【深く話さず】軽く答えたら、娘は「はいはい」と返事をし、それ以上何も言わなかった。
なので、本人は詳細を知らずにSSTを受けていることになる。
部屋から出てきた表情が明るかったので、予想はできていたけれど、帰り道、娘に感想を訊いたら、ほくほく笑顔で「楽しかった~」と答えた。
その声が聴けて、とても嬉しかった。
初回SSTはニコニコ大満足で終わりました。
SSTを行うに当たって、気を付けたいこと、参考にしたことを学んだ本↓
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本人が「生きていてよかった」と思えるサポートをしようと誓った日
図書館で借りた本。 7年前の出版なので、少し古いかな?と思ったけれど、中身はとてもタメになった。 購 ...